2026.6.17
ブルー同士の交配について

ブルー×ブルー交配について考える
これから述べる考えは私個人の考え方となりますので無断での転載等はおやめください。
イタリアングレーハウンドの繁殖をしていると、「ブルー×ブルーは避けるべき」という意見を耳にすることがあります。最近ではSNSでもよく見かけます。
その理由として挙げられるのが、CDA(カラー・ダイリューション・アロペシア)です。
CDAはブルーやイザベラなどの希釈色の犬で見られることがある被毛・皮膚の疾患ですが、ここで誤解されやすいのが、
「ブルー×ブルーだから発症する」
という考え方です。
現在分かっているのは、CDAが希釈色と関連しているということです。
一方で、
・ブルー×ブルーでも何世代も発症していない系統 ・ブルー以外を交配に取り入れていても発症する系統
が存在することも知られています。
つまり問題は単純な毛色だけではなく、その背景にある遺伝的要素や血統全体にあるのではないかと考えられています。
また、現在のところCDAを確実に予測できる遺伝子検査はありません。
そのため繁殖においては毛色だけを見るのではなく、
・親犬の健康状態 ・被毛の質 ・兄弟犬や近親犬の状態 ・過去の産子の成長や経過
などを総合的に見ながら判断することが大切だと考えています。
私は繁殖において、毛色を軽視しているわけではありません。
しかし毛色だけを見て交配の良し悪しを決めることにも違和感があります。
もし本当に「ブルー×ブルーだから危険」なのであれば、世界中で長年繁殖されてきたブルーのイタリアングレーハウンドは維持できなかったはずです。
大切なのは、
「何色を掛けるか」
ではなく、
「どんな犬を掛けるか」
だと私は思っています。
親犬の健康状態。
被毛の質。
兄弟や親族の状態。
過去の産子の成長。
そして犬種としての健全性。
そういった情報を積み重ねながら、一頭一頭と向き合うことが責任ある繁殖につながると考えています。
もちろん、CDAという疾患そのものを軽く考えているわけではありません。
CDAは被毛が薄くなったり脱毛したりする疾患であり、現在も根本的な治療法は確立されていません。
ただ、多くの場合は生命に関わる病気ではなく、日常生活に大きな支障を与えるものでもないとされています。
だからといって、「命に関わらないから問題ない」という話ではありません。
繁殖者として大切なのは、発症した犬やその血統の情報を真摯に受け止め、より健康で健全な犬を次世代へ繋ぐ努力を続けることだと思っています。
また、実際にCDAを発症した犬については、症状の程度に関わらず繁殖計画を見直し、繁殖ラインから外すべきだと考えます。
毛色は繁殖計画を考える上での一要素ではありますが、それだけで犬の価値や健康を判断できるものではないと考えています。
さて、私の考えを長く書かせていただきましたがこの考え方が唯一の正解だとは思っていません。
実際に、CDAのリスクを少しでも減らすためにブルー×ブルーを避けるという考え方のブリーダー様もいらっしゃいますし、その考え方にも十分な理由があると思っています。
犬種の未来を真剣に考えているからこそ、様々な考え方や繁殖方針が存在しているのだと感じています。
私自身は現時点で得られる情報や経験をもとに繁殖計画を立てていますが、まだまだ未熟で学ぶべきことも多くあります。 そのため、自分の考えに固執するのではなく、異なる意見や新しい知見にも耳を傾けながら、より良い繁殖とは何かをこれからも考え続けていきたいと思っています。
特に長年イタリアングレーハウンドの繁殖に携わってこられたブリーダーの皆様や、実際にCDAの発症例を経験されたブリーダーの皆様のご意見は、大変貴重なものだと考えています。
私の認識に不足している点や、私の知らない事例、最新の知見などがありましたら、ぜひご教示いただけますと幸いです。
また、私とは異なる考えをお持ちのブリーダーの皆様からのご意見やご経験も、ぜひお聞かせいただければと思います。
賛同のお声だけでなく、異なる視点や疑問点、懸念される点なども含めて意見を交わしながら、犬種の未来にとって何が最善なのかを一緒に考えていければ嬉しく思います。
犬たちの未来のために、立場や考え方の違いを超えて学び合えることを願っています。
そして私はこれからも一頭一頭の健康状態や血統背景を大切に見ながら、責任ある繁殖に取り組んでいきたいと思います。